改めて気付いたこと
ふと、改めて気付いたことがある。
私は、今、この世で1人しか会話する相手がいないのだ。
私の母だ。
確かにスーパーに行けば、レジの人と「○○カードはお持ちですか?」
「持ってません」くらいのやり取りはするが、これは事務的な会話である。
私が指す会話とは人と人とのあたたかな、血の通いあった会話である。
例えば、
「今日の晩御飯なに~」
「肉じゃが」
「まじか!やったね」
的な感じである。
さて、この日本という国、この地球という星の中に人は何人いるのだ。
いま、検索したら日本にはだいたい「一億2711万ちょい」くらいの人がいるらしい。
じゃあ、世界でいったらどうだろう。
検索すると「73億2748万ちょい」の人間がいるという。
まじか。
まじか
そんなに人がいるのに、私は話す人間が自分の母親しかいないのだ。
つまり私の話し相手は、73億2748万ちょい中の1なのである。
仮にも23歳の若人である。
私は想像した。
同じ年頃の者たちの人生について。
あるものは、小学生時代から頭も運動神経もよく、そしてよくモテた。
エスカレーター式に大学は一流の大学に進学し、まるでオレンジデイズのようなキラキラのキャンパスライフを満喫した。
ちなみに彼は遊びほうけているタイプの学生ではなかった。
しっかりと学業に励み、教授にも気に入られた。
ぜひ大学院まで進んで研究室で私の下で働いてほしい。そういわれることもあった。
天性の人たらしとして彼は有名だったのだ。
就職活動では自身の「強み」をいかんなく発揮し、無事大手の一流企業に内定。
初任給では両親にプレゼントを贈った。母は泣いた。感激の涙だった。
現在入社2年目になる彼は大学時代から付き合っている、モデル張りの美人彼女(こちらも大手企業)と今年の夏休みの予定を立てている。
彼女にはまだ内緒だが、親しい友人たちには彼女といつか結婚したいと思っていることを話す。
またあるものは、こうだろう。
小学校時代から女子にしては大柄な体系で、あだ名は、ゴリ子。
中学ではバレー部に所属し、スポーツに青春をささげた。
高校に入学した彼女はふと周りを見渡すと、年頃になってきた同級生たちはそれぞれに、髪をカールさせ、
生活指導の先生に怒られながらも薄化粧をし、冬の寒さにも負けずに
パンツが見えそうなほどスカートを短く折った。
自分をよく見せるために「おしゃれ」をしているのだ。
ゴリ子は焦った。
スポーツに青春をささげていた間に世間は、キラキラなゴシップガールズになっている。それに引き換え私は短く刈り上げた髪にジャージで通学する毎日。しかもぽっちゃりだ。母の作る揚げ物料理のせいだ。おいしいのだ。
ゴリ子は決意した。痩せて可愛くなってやる!
大学生になったゴリ子はミスキャンパスに選ばれた。
決意したあの日からゴリ子は、ダイエットをし化粧を覚えた。
幸いゴリ子は痩せたら美人というタイプであった。背の高さも相まって誰もが振り向く超絶美少女になったのだ。
ミスコン後、大手芸能事務所からスカウトがあった。
大学卒業後の現在、彼女は芸能活動をしている。
モデルとして女性誌でデビューし、細々とだが着実にキャリアを積んだ。
今はモデル業だけでなく、ドラマの仕事そしてCMと活動の幅を広げている。
今日はこれから、大手ブランドのレセプションパーティーに行くという。
もちろん、エスコートするのは某大手IT企業の社長とか。
彼女はこう語る。
「いつか自分の自伝のようなものを出したい。タイトルは「もうゴリ子とは呼ばせない」これを書いてティーンのみんなにも努力すれ道は開けるよってことを教えてあげたい。」
ちなみに今は目下、英語を勉強している。実はハリウット映画のオーディションの話が来ているらしい。彼女の夢はどんどん広がっていく。
こんなとこだろうか。
さて、長々と書いたが。
これに引き換え私の人生はどうだろうか。
毎日毎日食っちゃ寝食っちゃ寝でキラキラのきの字もない。
仕事もない。友達もない。彼ピッピもいない。努力もしない。ラインは今日も0だ。
こんなんでいいのか。
「こんなんで」と今、自分を責めるが、じゃあ明日からマクロビダイエットやって、ジョギング1時間しまーす。って言ってお前はできるのか?続くのか?
23年間なんの努力もしてこなかったお前に何ができるんだ。
73億何千万うんちゃら人、人間がいるこの地球に住んでいるのに、自分にとっての主な構成員は母親(時々オトンと妹)という事実を前に、お前はどうするべきなんだ。あぁ?そうだよ
はぁたぁらぁけぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーー。
っと考え出したら急に眠くなってきたから今日はジョン・マルコヴィッチの映画でも見てもう寝よ。